男の世界すなわち仕事の世界

てなわけで、奇跡のような人その一は荒木飛呂彦先生です。
SBRの最新刊をようやく買えたんですが、もうね、叫びたい。何回見ても心が震えます。リンゴォ戦。

正直なところ34話を読んだ段階では、リンゴォに対してかなりむかついていたんですよ。
「目的はあくまで『修行』であり 人としてこの世の糧となるため」などといっていますが、その過程で発生しているのは殺人なわけで。
じゃあ、その『修行』とやらが終了したその『先』には、殺人と言う行為をあがなうことが出来るだけの『何か』を絶対に成し遂げられるのかと。もし出来なかったらその行為に対してどう落とし前をつけるつもりなのかと。つか人を殺して自分は『出来る』男だと思い込みたいだけなんじゃないかと。
なので、わたしのなかでリンゴォは『真の邪悪』として位置付けられており、早くこいつが惨めにぶっ飛ばされる姿が見たいなあなどと思っていたんです。

ところが35話。ぶっ飛ばされたのはわたしの浅はかなこの考えでした。
35話は、荒木先生の描いた全作品を通してもベスト5に入るんじゃないかというぐらい熱い闘いで、どのページを切り取っても燃えるというまさに神がかった話です。
きっと35話の生原稿を見せられたら、わたしの体は本になっちゃうね。開くね。『天国への扉(ヘブンズ・ドアー)』が。

ところで、『社会的な価値観』と『男の価値』について。
35話の感想について述べているサイトの中には、荒木先生が集英社の編集と漫画家との関係を隠喩しているのではないかといった意見もあったと思いましたが、わたしはこの『男の価値』の「男」は「仕事」や「働くこと」と置き換えることが出来るんじゃないかと思っています。

働くことが尊かった時代があった。しかし、いまや仕事も人生のオプションのひとつに過ぎなくなった。でも「真の勝利への道」にはかつての「美学」を取り戻す必要があるはずなのだ。
そんなことをリンゴォは訴えているように思えて仕方がないんですよねえ。

35話の『男の世界』のほかにも『納得は誇りだ』『気高く飢えろ』『最後に勝つのは「受け継いだ者」』などの台詞は、どれも社会人としての心構えを説いているんじゃないかと。
そんな感じで、SBRは実はビジネスマンの必携書だと割とマジで思っているんですが、賛同者は少なそう。

ま、今のルーシー編も含めて最近のSBRディ・モールト(非常に)熱いんで、ぐだぐだいわずに読んで素直に燃えるのが一番かもしれませんね。

もう一人の奇跡のような人関連は明日にでも。
ヒント:17歳教

STEEL BALL RUN vol.8―ジョジョの奇妙な冒険Part7 (8) (ジャンプコミックス)

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