初めての、いつもと変わらない冬が始まる

カタログチェック完了。購入自体は割と早かったんですが、目を通す時間が無かったのでしばらく放置プレイでした。

今回のカタログは物理的にも存在としても「重い」カタログです。米澤前代表を喪ってから初めてのコミケ。カタログでも当然特集記事が組まれ、関係者などのメッセージが寄せられていました。
10月にあの一報を知ったときは動揺以上の反応をすることはとても困難でしたが、時が経って動揺も落ち着いた今になってこのカタログの特集記事を読むと、泣けて仕方がありません。今回はコミケットプレスも買おう。

カタログのチェックが終わるといよいよ臨戦体制、というかカタログチェックの時点からわたしの中でコミケが開催するのですが、実はわたしは毎回コミケに参加するにあたりテーマを設けています。前回の夏コミは「商業で活躍している作家さんの同人誌を買ってみよう」がテーマだったりしました。
で、今回のテーマは「カオスなコミケを楽しもう」。米やんのこともありましたので、原点回帰してみようかなと。

と、その前に少しばかりわたしとコミケとの出会いを語ってみたいと思います。

初めて同人誌とコミケの存在を知ったのは、確か高3の夏ごろだったと思います。正直言って衝撃でしたね。
それまではマンガやアニメ、ゲームの世界は、作家が作り出した世界に閉じているのが普通だと思っていたのです。
それが、ファンの手によって二次創作という形で展開されている。世界は決して閉じてなんかいないと知った時には、まさに新天地を見た心地でした。

でですね、その新天地に何を見出していたかというとぶっちゃけエロだったわけですよ。
今まで閉じた世界だと思っていた少年誌として発売されているマンガ雑誌や、TVで放映されているアニメ、コンシューマ用のゲームには、当然ですけどエロ*1なんて入ってなかったわけで。
でも、それでもやはりそれらの媒体で活躍している女の子キャラに「萌え」は感じていたし(当時はその概念はありませんでしたが*2)、彼女らのあられもない姿を『ものすげく』見たかった…。
それが!同人誌という世界では実現している!アスカ*3が!さくらが!片桐彩子*4が!あんなことやこんなことを!?すごい!ラピュタは本当にあったんだ!
しかし、わたしは当時バリバリの受験生。年齢的にもアウトだったし、今イベントなんぞに行こうものなら、そのまま流されてしまう!と思って必死で自粛していたのでした。

その甲斐もあって、無事大学には合格。年齢的にも解禁ということで、大学1年の夏、ついにコミケに参加となったわけですが、初めてのカタログを読んだとき、同人誌を知ったときとは違う衝撃がそこにはありました。
確かにサークルカットにはあからさまなエロもありました。でもそれ以上にそこには「何でもあった」のです。
学校では言葉としてでしか教えられなかった「多様な価値観」があの紙面には広がっていた。そして、コミケに「お客」なんてものは存在せず、関わる者すべてが「参加者」であるという基本。
エロに対する渇望だけではなく、コミケという存在そのものに「ときめき」を感じた瞬間でもありました。

その時以来、わたしはコミケに参加するときに単なる一消費単位には絶対にならないと心に誓い、それは今も自分に根ざしていると思っていますが、初めてのときに感じた「何でもあるという豊かさ」へのときめきは、ひょっとしたら少し薄らいでいたかもしれません。
なので、今回は先ほど言った「原点回帰」してみようかと。米やんが愛し、守ろうとしたものをもう一度見つめなおしてみようかと思います。

*1:ここでいう「エロ」は今のジャンプのようなエロではなく、もっと直球の、いわゆる「本番」のこと。

*2:まったくなかったと言うのは語弊があるかも。ナノセイバーやってたころだからなあ。萌えの起源が恐竜惑星からという説にのっとると、ネットの世界ではすでに存在していたかも。

*3:……何ですか?文句ある?おれはっ!綾波よりアスカ!八雲より沢近!長門よりハルヒなの!なんだよー、このまえ高校の先輩、友人十数名で久しぶりに地元で遊んだときにもさー、まさか「こっち側」に来るとは思ってなかった先輩がFateに手を出してしまったってんでFate談義が花開いてさー、「Fateでどのキャラが一番好き?」って質問に「おれは断然遠坂っす」とかいったら全員で「えーーー」とか言いやがって。そりゃおれだってセイバー好きだよ?でも遠坂はそれ以上なの!芝村舞、斗貴子さんに続く、おれ内部3大巨頭なの!ポニテツインテツンデレは大好物であります!

*4:ときメモ1で好きなキャラは紐緒結奈閣下ですが、当時エロが見たいのは片桐彩子でした。自力でクリアした最初の子だったというのもあって思い入れあったし。「自力で」というのは自分が狙ったとおりのクリアだったということ。本当のファーストプレイは詩織狙いだったのですが、伝説の樹の下にいたのはなぜか館林見晴。え?誰?って感じでした。ファーストプレイでは間違い電話イベントしか見てなかったので、バグだったんじゃないかなーと今でも思ってます。